光波を制御するための新しい方法である「連続発振分子光変調器」を用いて、10テラヘルツを超える周波数間隔で等間隔に並ぶ「連続発振ラマンコム」を実現した。その新しい光波の特性を評価するために、干渉型自己相関波形測定と光ヘテロダイン干渉法を組み合わせた、ラマンコム間の位相測定方法を新たに開発した。この測定法によって、17.6THzで変調された連続発振ラマンコムの位相差測定を実現した。
本研究で開発した「連続発振ラマンコム」の位相測定方法は、(1)位相と振幅を制御した複数のラマンコムの合成によって得られる光シンセサイザー、(2)10THzを超える繰り返し周波数で発振する画期的な分子変調モード同期レーザー、(3)極限的な周波数の精度で発生する単一周波数テラヘルツ波光源、(4)原子・分子の準位間の複数の遷移に同時にアクセスできる位相同期レーザーなどの新しい展開への貢献が期待される。また、これらの光源は、超高速光通信、精密原子/分子分光、高精度光計測・センシングなど、社会の発展に寄与する応用が期待できる。