本研究ではプレートで2番目に主要なMg-rich Low Ca輝石(エンスタタイト)に着目し、深さ約410-660 kmに相当する沈み込むスラブ深部条件下においてエンスタタイトの圧力誘起相転移を伴うその場観察変形実験を行う。周囲のマントルと比べ低温のスラブ内では、エンスタタイトは相平衡に従わずマントル遷移層まで残留し、圧力の増加に伴う相転移によりスラブ深部の流動強度を大きく変化させる可能性がある。そこで本研究では沈み込むスラブ中に残留するエンスタタイトが相転移することで及ぼす、スラブ深部の流動強度変化について実験的に明らかにすることを目指す。