メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下、MRSA)は、新生児の院内敗血症の主要因となる院内感染病原体である。九州大学病院(当院)新生児集中治療室(以下、NICU)は総合周産期母子医療センターで重症患者が多く、MRSAの感染対策が重要だが非常に困難で、毎年数十例分離され続けている。主な要因としてNICU環境に同菌菌株が長期間滞留する可能性を考えた。そこで、過去に当院NICUで分離されたMRSA菌株の全ゲノム解析により、長期滞留クローンの存在を解明したい。先行解析で長期滞留クローンの存在を示唆する知見が得られており、伝播様式や遺伝学的解析を加える事で、今後の感染対策に有用な知見を創出したい。