RNA編集と概日リズム制御機構との統合解析による薬物体内動態の個体差要因の解明
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- 小柳 悟
- 研究代表者
- 九州大学
研究課題情報
- 体系的番号
- JP18H04019 (JGN)
- 助成事業
- 科学研究費助成事業
- 資金配分機関情報
- 日本学術振興会(JSPS)
科研費情報
- 研究課題/領域番号
- 18H04019
- 研究種目
- 基盤研究(A)
- 配分区分
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- 補助金
- 審査区分/研究分野
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- 中区分47:薬学およびその関連分野
- 研究機関
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- 九州大学
- 研究期間 (年度)
- 2018-04-01 〜 2022-03-31
- 研究課題ステータス
- 完了
- 配分額*注記
- 34,190,000 円 (直接経費: 26,300,000 円 間接経費: 7,890,000 円)
研究概要
様々な生体機能に認められる概日リズムは薬物の効果や副作用に影響を及ぼす。このような投薬時刻依存的な変化は、吸収・分布・代謝・排泄など薬物動態の時刻変動に起因する場合もある。実際、一部の薬物輸送トランスポーターや代謝酵素の発現や機能も概日リズムを示し、医薬品の体内挙動に時刻の違いによる変動を生じさせる。本研究ではヒト腎細胞や肝細胞を用いて、トランスポーターや代謝酵素の概日変動がRNA編集酵素(ADAR)によって引き起こされていることを見出した。ADARは転写・翻訳・スプライシングバリアントの形成などのタンパク質発現の各過程を介して、薬物動態関連因子を発現や機能を制御していることが明らかになった。
本研究の成果によりADARが多岐に渡るメカニズムによって主要なトランスポーターや代謝酵素の概日リズムや機能を制御していることが明らかになり、医薬品の効果や副作用に時刻の違いによる差異が生じる原因の一部を解明することに成功した。また、RNAシーケンス解析の結果、ヒトのRNA上にはADARによって時刻依存的に編集される部位が数万箇所は存在し、様々な遺伝子の発現や機能に影響を及ぼしている可能性も示唆された。今後、このようなADARの活性リズムが、他の薬効関連分子の発現にどのような影響を及ぼしているのかを解明することで、医薬品の効果・副作用の個体差と個体内変動の理解に繋がることが期待される。