本研究の目的は,通勤時間が主観的幸福感にどのような影響を及ぼすのかを,ジェンダー格差や通勤手段の違いを踏まえて明らかにすることにある.多くの労働者は働くにあたって職場への通勤が付随することになる.海外では,通勤時間という指標を用いて主観的幸福感などに与える影響について研究がなされているものの,日本では研究が蓄積されていない.しかし,日本における満員電車など特殊な通勤事情は海外でも類を見ないもので,通勤が与える影響を検討する意義は大いにある.方法として,パネルデータ分析を通じて通勤時間が主観的幸福感に与える影響を縦断的側面から検討し,さらにコロナ禍前後でその影響がどう異なるかについて分析する.