微生物叢には原核生物である細菌と真核生物である真菌という異なる生物界の細胞が存在し、宿主の免疫系の制御や神経系の発達に大きな役割を担っているが、難培養真菌のゲノム情報は十分に理解されていない。そこで本研究では、申請者が独自に開発してきた真菌叢のミニメタゲノム解析を行い、従来法では到達不可能な種レベルでの高解像度な真菌叢構造を解明し、特にTh17細胞を誘導する真菌種を同定に取り組む。候補真菌の無菌マウスへの投与や抗真菌薬を用いた真菌叢への介入と個体レベルの行動解析を行うことで、真菌によるTh17細胞を介した腸脳相関の制御機構を解明し、腸内真菌の制御による社会性行動異常の改善法を創出する。