近年、創業初期から積極的に海外市場に進出する早期国際化企業と呼ばれる企業が世界的に観察されるようになった。国際経営論の研究領域において、その新奇的な国際化パターンが高い関心を集めているものの、その研究の多くは創業初期の海外市場進出の先行条件に焦点が当てられている。それゆえ、早期国際化企業が通時的に、いかに地理的範囲を拡張し、あるいは海外市場へのコミットメントを高めていくのかという点については未だ十分な研究成果が蓄積されていないのが実情である。それゆえ本研究は、早期国際化企業の国際的発展のプロセスを理論的、実証的に解明することを企図する。