管棲性であるスガメソコエビ科ヨコエビ類を、粒径の異なる4種類のグラスビーズを基質として飼育し、種毎、体長毎の棲管の作成状況から、底質の粒径に関する分布要因を考察した。その結果、スガメソコエビ科全体としては0.177mm以下の粒径で殆どの個体が棲管を作成できることがわかった。また、種によって、棲管を作成できる粒径の範囲に違いがあると考えられた。同じ種では、体長がちいさくなるにつれて、棲管を作成できる粒径も細かくなる傾向が見られた。スガメソコエビ科ヨコエビ類は、完全な棲管を作成できないと摂餌行動がとれず、衰弱して死亡することが観察されたことから、スガメソコエビ科ヨコエビ類の棲管作成能力と底質の粒径との関係は、分布のみならず、生残にも大きな影響を与えていると考えられた。
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水産工学 35 (3), 223-227, 1999-03
日本水産工学会