水稲疎植栽培と短期育成苗を組み合わせた省力低コスト栽培法の確立

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  • スイトウソショクサイバイ ト タンキイク セイビョウ オ クミアワセタ ショウリョク テイコスト サイバイホウ ノ カクリツ

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説明

稲作の省力、低コスト化を図るため、育苗期間を稚苗より約1週間短縮した短期育成苗を用い、m2当たり栽植密度が11~15株(条間30cm、株間約22.5~30cm)の疎植栽培について検討した。1.稚苗を用いた場合、疎植の出穂期および成熟期は標準植(株間15cm)より1日程度遅れるが、収量や玄米の外観品質、蛋白質含有率は、標準植との差は見られなかった。2.短期育成苗を用いた疎植栽培では、稚苗の標準植と比べ出穂、成熟期が1~2日遅れるが、収量および品質は、同等であった。3.株間30cmの疎植に必要な育苗箱数は、標準植の約6割の10a当たり10枚程度となり、育苗箱数の減少によるコストの削減と苗運搬労力等の低減が可能であった。さらに、短期育成苗を用いることにより、一層の省力化が図れると推定できた。4.緩効性肥料による基肥全量施用は、速効性肥料の分施に比べ低収となったが、育苗期間および栽植密度による差異はなかった。短期育成苗の疎植栽培において緩効性肥料を基肥全量施用することで一層の省力化が図れると推定できた。5.株間を30cm程度とするためには、疎植対応田植機を用いる必要がある。一般的な田植機を用いる場合は、最大株間(多くは23cm程度)に設定することにより、栽植密度に応じた省力化、低コスト化を図れると推定できた。

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