二条院讃岐の実人生(五) : 後半生を中心に

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  • ニジョウイン サヌキ ノ ミノル ジンセイ(5)コウハンセイ オ チュウシン ニ
  • The Real Life of Nijoin-Sanuki : The Latter Half of Life (5)

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Abstract

明けて文治四年の如月。常日頃あまり健康には恵まれず、病に悩んできた兼実の息良通が、十九日の深夜に思いがけず薨去した。四十九日の中陰の間には北政所讃岐を含めて、大勢の人々が仏事を修して良通を偲んだ。また讃岐は兼実家の一人として服を着し、優しい人柄であった良通を想い冥福を祈ったのである。良通の薨去は法皇へ兼実を引き寄せ、兼実は大炊御門亭への居住を賜った。更に兼実の予ての願い通り姫君入内の内諾も得て、文治五年十二月、入内は明年正月十一日と決定された。兼実は太政大臣に上り、良經は二位大納言に昇進した。兼実家の繁栄は絶対的なものと誰もが信じたことであろう。北政所讃岐は宣旨の責務もあり、姫君入内が無事に実現するようにと祈る毎日である。

良通

薨去

法皇

宣旨

入内

identifier:DB004300007856

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