是枝裕和の映画小説の特徴及び中国における受容状況について

書誌事項

タイトル別名
  • The Characteristics of Novelizations of Hirokazu Kore'eda’s Films and the Situation of its Acceptance in China
  • コレエダ ヒロカズ ノ エイガ ショウセツ ノ トクチョウ オヨビ チュウゴク ニ オケル ジュヨウ ジョウキョウ ニ ツイテ

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説明

是枝裕和は映画監督として世界的に名声があるが、実は彼が1990年代の終わり頃から自身の監督作品を自ら小説化し、映画小説として継続的に発表していることはそれほど注目されていない。従来の研究もほぼ大半が是枝裕和の映画作品に関するものであり、彼の映画小説についての研究はほとんど行われていないのが現状である。本研究ノートでは、是枝裕和の映画小説に着目し、彼の文学作品に関する諸問題についての考察を試みる。まず、映画小説作家としての是枝裕和の映画小説を、「映画宣伝の重要な手段として」、「個人的な創作品ではない」、「ベストセラーから売れ続ける作品へ」という三つの観点から整理して個々に分析を加え、是枝裕和の映画小説に特有の魅力について論ずる。次に、2019年に刊行された文庫本『万引き家族』を例として、彼の映画小説の「文学性」と「映像性」という問題について考察し、その特徴を明らかにする。そして最後に、中国における是枝裕和の映画作品と映画小説の進出状況について分析し、日中両国の映画小説の発展の現状や、映画小説に対する受容面での差異についても述べる。

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