PSA低値, CEA, CA19-9が高値を示した再燃性前立腺癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • The Recrudescence of prostate cancer with low serum level of PSA and high serum level of CEA and CA19-9: a case report
  • PSA テイチ CEA CA19 9 ガ コウチ オ シメシタ サイネンセイ ゼンリツセン ガン ノ 1レイ

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説明

症例は2年前に前立腺癌(stage B2)の診断・治療を受けた64歳男性で, 右下肢痛が出現した。前立腺特異抗原(PSA):0.4ng/m, 癌胎児性抗原(CEA):667ng/ml, CA19-9:1354U/mlであった。右腸骨に骨腫瘍を認めたが, 他臓器に異常はなかった。加療によりCEA, CA19-9は低下傾向になった。しかし, その後, 右下肢痛は増強し, PSA:1.0ng/ml, CEA:3990ng/ml, CA19-9:11700U/mlとなった。右下腿Xpで右脛骨の粉砕骨折, 骨シンチで右腸骨・恥骨・両坐骨のmultiple uptake, 仙骨尾部・右脛骨に強い集積像を認めた。全身状態悪化のため, 下肢痛出現から16ヵ月で死亡した。剖検では, 前立腺に腫瘍成分はみられず, 右腸骨, 右脛骨に腫瘍を認め, 骨転移巣は前立腺癌の生検所見と類似していた。また, CEA染色・PSA・androgen receptorは陽性を示し, 前立腺癌の転移と診断した。粘液産生能が強く, 未分化な前立腺癌において, CEA, CA19-9は病勢を反映する可能性があると考えられた。

収録刊行物

  • 泌尿器科紀要

    泌尿器科紀要 53 (7), 485-487, 2007-07

    泌尿器科紀要刊行会

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