乳児期早期の基本的情動の発達と活動水準および母親の情動表現性の影響

Bibliographic Information

Other Title
  • ニュウジキ ソウキ ノ キホンテキ ジョウドウ ノ ハッタツ ト カツドウ スイジュン オヨビ ハハオヤ ノ ジョウドウ ヒョウゲンセイ ノ エイキョウ
  • Influence of infant's activity level and mother's expressivity on basic emotional development in early infancy

Search this article

Description

本研究では,乳児期早期における基本的情動「喜び」「怒り」「恐れ」の発達について検討することを目的とし,各情動の発達と,それに対する乳児の活動水準および母親の情動表現性の影響について検証した。対象は,3?7ヵ月の乳児の母親30名であった。方法として,3ヵ月時および7ヵ月時に,乳児行動調査票(Infant Behavior Questionnaire)と親の情動表現スタイル尺度(Self-Expressiveness in the Family Questionnaire)を実施した。各情動について,3ヵ月時と7ヵ月時で検定を行った。その結果,いずれの情動も発達していることが示された。また,7ヵ月時の各情動を目的変数,3ヵ月時の各情動を統制変数,各時点の乳児の活動水準および母親の情動表現性を説明変数として,ステップワイズ法による重回帰分析を行った。その結果,「喜び」の発達には7ヵ月時の活動水準および活動水準の変化量が正の影響,母親の否定的情動表現性が負の影響を及ぼし,「怒り」の発達には,母親の否定的情動表現性が正の影響を及ぼし,「恐れ」の発達には,活動水準の変化量が正の影響を及ぼすことが示された。本研究の結果から,「喜び」の表出が少ない乳児や,突出して「怒り」の表出が多い乳児への,母親からの早期の介入の可能性が示唆された。

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top