小学生における学習習慣と学業成績の関係

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タイトル別名
  • Relationships between study habits and academic achievement in elementary school children

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抄録

子どもの学習習慣を査定する調査項目を作成し、学習習慣の学年差と性差を調べるとともに、学習習慣と学業成績との関係を検討した。学習習慣の構成要因としては、家庭の学習習慣として生活習慣(6項目)、学習環境(5項目)、宿題・復習・予習(4項目)、計画と実行(5項目)、勉強の仕方(5項目)の5つ、学習意欲としては積極性・向上心(6項目)と集中力・持続力(6項目)の2つ、学校の学習習慣として登校の意欲(5項目)、授業の受け方(10項目)、ノートの取り方(5項目)、テストの受け方(5項目)の4つをとりあげた。小学2年生115名、4年生139名、6年生141名に各質問項目について"はい、いつも"、"はい、ときどき"、"いいえ"で答えさせ、望ましい応答に2点、中間の応答に1点、望ましくない応答に0点を与えた。主な結果は次の通りである。(1)11の構成要因すべてにおいて、女子の方が男子よりも高い得点(望ましい習慣)を示した。(2)生活習慣、学習環境、勉強の仕方および積極性・向上心では有意な学年差がなかった。(3)宿題・復習・予習および計画と実行は4年生が最も低くて2年生と6年生はほぼ同じであり、集中力・持続力は2年生が最も高くて4年生と6年生はほぼ同じであった。(4)登校の意欲と授業の受け方は高学年になるにつれて低くなり、ノートの取り方とテストの受け方は高学年になるにつれて高くなった。(5)学業成績上位群と下位群の学習習慣を比べてみると、2年生では生活習慣、集中力・持続力および登校の意欲で有意差があり、4年生では上の3つに加えて宿題・復習・予習、授業の受け方およびテストの受け方の6つの要因で、6年生では学習環境以外の10の要因で有意差があり、いずれも上位群の方が望ましい学習習慣が身についていることを示している。(6)項目ごとに群差を調べたところ、2年生では家庭の学習習慣3項目、学習意欲1項目、学校の学習習慣6項目(計10項目)で有意差があり、4年生では同じ順に3項目、2項目、7項目(計12項目)、6年生では9項目、4項目、8項目(計21項目)で有意差があり、いずれも成績上位群で望ましい応答が多かった。以上の(5)と(6)の結果から、学業成績と学習習慣の関係は2年生から4年生、4年生から6年生へと学年が進むにつれて強くなるといえる。

へき地教育研究室報告特集16

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050282812539118976
  • NII論文ID
    120003071846
  • NII書誌ID
    AN00181106
  • ISSN
    13404415
  • Web Site
    http://hdl.handle.net/10105/6614
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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