ソクラテスのアレテー観念について

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タイトル別名
  • On Virtue-from the Standpoint of Socrates
  • ソクラテス ノ アレテー カンネン ニ ツイテ

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type:論文(Article)

この論文の価値は、初期対話篇を読むとき、今述べた史的ソクラテスとの異同、作者プラトンの自らのソクラテス像への関与の度合いといった問題より、はるかに本質的な問題が、「プラトンの描くソクラテスとは何か」という問いの中に潜んでいることを明確にした点だと考える。というのは、もし作者プラトンが初期対話篇を通じて一人の哲学者ソクラテスを再創造していたとするならば、われわれは、例えば『クリトン』でのソクラテスと『プロタゴラス』で快楽説を語るソクラテスとがどこで同じソクラテスと言えるのかを説明しなければならない。問題は、プラトンが一人の哲学者を記していると言うとき、その一人をどこで押さえるかである、要するにわれわれは、プラトンのソクラテス像を明晰にしたいのである。

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