岩手県鴬宿地方のミズナラ-ヒバ林におけるヒバ稚樹の出現パターンと伏条繁殖

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タイトル別名
  • Occurrence pattern of <I>Thujopsis dolabrata</I> var. <I>hondai</I> saplings as related to their layering in a <I>Quercus mongolica</I> var. <I>grosseserrata</I> and <I>T. dolabrata</I> var. <I>hondai</I> forest in Ohshuku district of Iwate Prefecture
  • イワテケン オウシュク チホウ ノ ミズナラ ヒバ リン ニ オケル ヒバ チ

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抄録

岩手県鴬宿地方のミズナラーヒバ林におけるヒバ稚樹(高さ<200cm)の出現パターンについて,落葉広葉樹林冠木の空間的分布や伏条繁殖との関連で検討した。稚樹の密度は22,000本ha-1で,地下部の調査で確認された伏条稚樹の割合は14%であったが,他の多くの稚樹でも長く飼旬する埋土幹をもっていたことなどから,実際にはその割合はもっと高いと推察した。林床相対日射量は,春先でヒバの樹冠下では5%以下,落葉広葉樹の樹冠下では10%前後あるいは15%以上であった。分布相関の解析より,ヒバ稚樹は,ヒバ林冠木との間では弱い負の相関,落葉広葉樹との間では明らかな正の相関を示した。伏条繁殖がみられた場所のほとんどは,落葉広葉樹の樹冠下であった。分布様式の解析より,稚樹はランダム分布するクランプを形成し,大きさは小さいもので1m2以下,大きいもので約100m2と示唆された。落葉広葉樹の空間的分布と結びついた林床光環境の不均一性が大きなクランプを,そこでの伏条繁殖が小さなクランプをもたらしていると考えた。

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参考文献 (26)*注記

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