低アミロース良食味水稲品種「ミルキークイーン」の育成

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タイトル別名
  • テイアミロース リョウ ショクミ スイトウ ヒンシュ ミルキークイーン ノ イクセイ

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水稲品種「ミルキークイーン」は、化学的突然変異原N-methyl-N-nitrosoureaを処理した「コシヒカリ」の後代から育成された低アミロース胚乳品種である。1992年から「関東168号」の系統名で各府県の奨励品種決定試験および品質加工適性等の各種特性検定試験によって検討された後、1995年に新品種登録(水稲農林332号)された。2000年には、茨城県によって認定品種として採用された。「ミルキークイーン」の特性の概要は、次のとおりである。1. 胚乳アミロース含有率は、9~12%である。調理加工米飯の原料米としての適性が高い。普通炊飯米は、「コシヒカリ」より光沢や粘りがあり、良食味である。2. 主な栽培特性は、「コシヒカリ」と類似している。育成地では「早生の晩」に属する。稈長、穂長および穂数は「コシヒカリ」並であり、草型は「中間型」に属する。収量性は、「コシヒカリ」と同等か、わずかに劣る。玄米は、「コシヒカリ」よりやや小粒で白く濁り、その他外観品質は「コシヒカリ」並である。3. 耐倒伏性およびいもち病抵抗性は「コシヒカリ」並に弱いので、多肥栽培を避ける必要がある。また、成熟後期の倒伏による品質低下を防止するため、適期収穫を励行する必要がある。以上の特性を備えた「ミルキークイーン」は、東北地方南部以南の「コシヒカリ」栽培地帯に適する。

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