宣撫班本部編『日本語會話讀本』の文献学的考察・その2 : 南満洲教育会編纂教科書との比較を通して

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タイトル別名
  • A philological study of "Nippongo Kaiwa Tokuhon" edited by the Japanese Military Placation Squad : A comparison with textbooks edited by the South Manchurian Society of Education

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抄録

小論は、『日本語會話讀本』(以下『讀本』)と南満洲教育会教科書編輯部編纂教科書との比較を通して、その参照元となった教科書を推定し、併せて『讀本』の性格を再考しようとしたものである。比較考察の結果、『讀本』は南満洲教育会の仮名遣い法に則って編纂されたものであり、中国語対訳の存在、構成、符号の使い方等から南満洲教育会編纂教科書のうち『速成日本語讀本(上)』が参照元として推定された。また、この対照から『讀本』の性格として、1)宣撫工作(特に従軍宣撫)に対応する"速成"教科書であること、2)先行中国語教科書を借用・改変することにより敵方の言語の教科書の枠組みを借りるという"皮肉な"性格をもつこと、3)この二つの流れを統一できなかったため、後に視覚的プロパガンダの道具という性格が打ち出されてくること、の三つを提示した。最後に、今後の課題として、宣撫班の教科書編纂方針の再考、『讀本』作成構想に於ける『速成日本語讀本』の関わり方の考察、他の先行教科書との対照研究の必要性の三つを挙げた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050282813985006976
  • NII論文ID
    120003059598
  • NII書誌ID
    AA11172014
  • HANDLE
    2115/45660
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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