<論文>光の粒子性を押し立て古典論の限界に触れる量子力学入門教材の開発研究

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  • 阿部, 春樹
    京都大学大学院人間・環境学研究科相関環境学専攻
  • 舟橋, 春彦
    京都大学大学院人間・環境学研究科相関環境学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • <Originals>Research and development of introductory teaching materials for quantum mechanics : taking students to the limit of classical theory by promoting the particle nature of light
  • 光の粒子性を押し立て古典論の限界に触れる量子力学入門教材の開発研究
  • ヒカリ ノ リュウシセイ オ オシタテ コテンロン ノ ゲンカイ ニ フレル リョウシ リキガク ニュウモン キョウザイ ノ カイハツ ケンキュウ

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説明

量子力学は現代科学の礎であるが, その難解さから世間一般には理解が浸透していない. 現行の学校教育においては高校理科の科目「物理」に基礎事項が配当されており, 履修する生徒は限られる. そこで, 意欲の高い中・高校生, 更には広く一般大衆に向けて量子力学の基礎を紹介する授業案を構築することを目指した. 本研究では, R. P. Feynmanの講演録を訳出した『光と物質のふしぎな理論私の量子電磁力学』を底本として, 予想と実験に基づく授業案〈ファインマン著『光と物質のふしぎな理論』を読む〉を考案, 実験授業を行った. 講演に倣い光の粒子性を押し立てて授業を進めることで, 古典論の破綻を体感し, 量子論へ興味・関心を抱いてもらうこと, 予想と実験が両輪となり発展する科学の方法論に触れてもらうことを主目的とした. 板倉聖宣が提唱した「科学的認識の成立過程」の理論は, 狭義の仮説実験授業のみならず科学全般に対する教育・研究にも適用され得る. 当時のFeynmanの講演では実施されていない実験を教室でも実施できる装置・演示方法を構築すると共に, 選択肢を伴う設問文を考案してより明確に問いかけている. 研究目的の達成の如何を, この授業案を用いた実験授業の後に受講生に求める評価・感想から検討した.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 30 237-249, 2021-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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