スポーツ観戦時の知性的認知プロセスに関する研究 : サッカー動画視聴の質的データ分析法を用いた概念モデルの作成

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書誌事項

タイトル別名
  • Research on intellectual cognitive processes during spectating sports : creating a conceptual model using qualitative data analysis methods though a watching soccer game video
  • スポーツ カンセンジ ノ チセイテキ ニンチ プロセス ニ カンスル ケンキュウ : サッカー ドウガ シチョウ ノ シツテキ データ ブンセキホウ オ モチイタ ガイネン モデル ノ サクセイ

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説明

本研究は質的研究を通して観戦行動における知性側面の観戦認知プロセスを明らかにすることである。9名に対しサッカーの試合の動画視聴後にどのような内容に興味を持って観戦したかということについて半構造化インタビューを行なった。インタビューから得られたデータに対し,質的分析を行った。分析の結果,次のようなことが明らかとなった。観戦認知プロセスを構成する要素は15の概念的カテゴリーと5の上位概念的カテゴリーに類型化された。またプロセスとして【知識】→【注目】 →【予測・推定】→【解釈】→【評価】→【知識】という循環的な観戦認知プロセスを辿ることがわかった。つまり競技観戦中に観戦者は,自身の知識を基に,試合の流れや局面に着目し,競技展開や競技者のプレー意図を予想し,プレーを解釈したうえで,そのプレーの成果やパフォーマンスの発揮度合いを評価するといったストーリーを内面に意味形成する。そしてこのストーリーは再度観戦経験知として観戦者に蓄積される。 したがって観戦認知プロセスはストーリーを生みだし,観戦者は内面に意味を形成し,文化価値が創造される。さらに観戦認知プロセスは観戦技法と言い換えることができ,観戦者は観戦すればするほど成長し,またエピソード記憶としての文化価値が内面に蓄積していくことが分かった。 くわえて知性的側面の観戦認知プロセスの解明により様々なスポーツプロデュースをめぐるコンテンツやサービスの開発が可能となることが示唆された。

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