特許情報に基づいたパーム油廃棄物関連の技術に対するトピック分析 : ニューラルトピックモデルの適用

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タイトル別名
  • トッキョ ジョウホウ ニ モトズイタ パームユ ハイキブツ カンレン ノ ギジュツ ニ タイスル トピック ブンセキ : ニューラルトピックモデル ノ テキヨウ

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説明

パーム油は,植物油脂の中でも世界最大の生産量を誇る一方で,アブラヤシ植林に伴う熱帯雨林の破壊や,生産の際に生じる廃棄物などによる環境負荷が社会的問題となっている。産業廃棄物による環境汚染の低減と再利用は技術開発により解決を図る必要性があり,技術開発動向を精査する意義は大きい。そういった産業活動に関連する様々な技術発展の状況を捉える情報の一つとして特許が挙げられ,近年,特許を対象としたデータマイニング分野が興隆している。特許情報はテキストを中心に構成されているため,自然言語処理の手法を適用することが有用であり,様々な手法の開発が進んでいる。そこで,本研究ではテキストの意味的側面を踏まえた上で文書,すなわち本稿では特許,のトピックを推定可能なニューラルトピックモデルを分析手法に採用し,特許内容の意味を踏まえたトピック抽出を行った。パームオイル関連特許が収録されたWIPOのデータセットを対象に分析した結果,25個のトピックが抽出され,廃棄物の中でも特にパームファイバーを対象とした技術が多く,様々な用途に利用されていることがわかった。更に,バイオマスに関する複数のトピックが抽出されるなど,技術の特徴に即した分析結果が得られた。本稿の分析結果から,ニューラルトピックモデルの適用により,従来的な技術分類では接近できなかった特許の内容面に即した特許の分類について捉えることが可能である点が明らかになった。

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 34 (1), 17-25, 2023-07

    藤沢 : 日本国際地域開発学会

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