アマモ場造成技術開発に関する研究

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説明

アマモ類は魚介類稚仔の生息場として水産上重要な役割を果たしているだけでなく、近年、内湾域の環境浄化や底質の改善効果等環境面でも注目されている。しかし、全国的に分布範囲や分布量が衰退し、本県筑前海でも福岡湾や引津湾でアマモの生息域は過去と比較して衰退傾向にある。本研究では、地元海域から採取した種を用いた育苗、移植技術を開発するとともに、廃棄物として問題となっているカキ殻を使い育苗試験を行い、その効果とアマモ場造成への利用を検討した。福岡県産の種子から陸上水槽で育苗した苗を使用して芥屋地先に移植を行い定着させた。低塩分処理による発芽試験の結果、福岡県産の種子にも低塩分刺激による発芽促進が有効であることが分かった。神奈川県産の種子との比較から、福岡県産の種子は比較的広い範囲の塩分、温度で発芽が促進される事が明らかになった。基質別育苗試験では、カキ殻を粉砕した試験区が高い発芽率(約30〜50%)を示し、底質中の溶存酸素の低下が発芽を促進したと考えられた。試験区ごとの生長(葉長、葉鞘長、根長)はカキ殻を粉砕した試験区が最も高く、他の試験区と比較して有意の差がみられた。

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