新潟県の某小学校6年生女子児童の平均身長低値に関する検討

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タイトル別名
  • イガク ケンキュウ ジッシュウ レポート ニイガタケン ノ ボウ ショウガッコウ 6ネンセイ ジョシ ジドウ ノ ヘイキン シンチョウ テイチ ニ カンスル ケントウ
  • A Study on Low Body Height of the Sixth-Year Female Pupils at an Elementary School in Niigata Prefecture

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抄録

新潟県某小学校学校医より,6年生女子児童の平均身長が新潟県の平均身長と比較して4cm低いとの報告があった.本調査研究の目的は,1)某小学校6年生女子児童の平均身長低値は異常といえるかどうか,および2)その集団の身長低値に関わっている要因,を記述疫学の方法論を用いて明らかにすることである.本調査の対象は,新潟県山間部の某小学校の2006年6年生女子児童39人であった.対象児童の身長,体重,出生時体重,誕生月の情報を得た.また,同小学校の2006年の児童の性別,学年別の身長の平均値,過去10年間の女子児童の身長の平均値,およびに同市内の他の19の小学校の2006年6年生女子児童の平均身長に関する情報も得た.2006年における某小学校6年女子児童39人の集団の平均身長は県平均値と比較し有意に低かった(-3.2cm,P=0.0103)が,対象者の平均身長と同市の平均身長との差は相対的に小さかった(-2.7cm,P=0.0284).また,その他の記述疫学データ解析の結果から,対象者の平均身長低値は特殊な要因曝露により起こったとは考え難く,その観点から異常な現象であるとはいえなかった.また本調査では,児童の身長に地域差があることが示唆され,今後これを解明することも課題である.

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