朝鮮王朝の還穀制度研究

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タイトル別名
  • チョウセン オウチョウ ノ カンコクセイド ケンキュウ
  • The Study on the Local Granary System -Whangok- in Choson Dynasty

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抄録

朝鮮王朝において常平倉などの倉制度は「還穀」と呼ばれたが,人口比からみたその運用規模は東アジアの中でも著しく大きかった。この制度は,農民に穀物を貸出し,秋の収穫後,若干の利子を付けて返納させるものであり,農民の再生産を支援しながら,救貧と防貧の機能を同時に遂行する目的で運営された。ところが,朝鮮中期以降,その利子を国家財政の税収源として公式化することによって,農民にとってはむしろ生活を苦しめる制度になってしまう。本研究は,救貧制度運用の核心は対象者選定にあるという立場から,穀物貸出の利用者の選定方式などを含めて,その運用構造を明らかにすることを目的としている。また,還穀制度の本質をより立体的に把握するために,中央政府,地方官,還穀利用者の三者の立場を区分して還穀問題にアプローチする。救貧制度の観点から還穀にアプローチした歴史学分野の先行研究は少なく,その用語や運営構造が極めて複雑になっていることもあり,本研究では文献研究とともに,関連歴史学者への聞き取り調査の研究方法を併用した。

朝鮮王朝救貧政策

還穀制度

倉制度

常平倉

identifier:FO001300008607

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