DVD「いのちと死の授業」視聴による死生観の変化

説明

学校現場では,子どもたちにいのちや死について考えさせる生命尊重教育や自殺予防教育が必要とされている。本研究では,いのちの大切さを考える授業教材として開発されたDVD「いのちと死の授業」について効果測定を行った。その結果,DVD 視聴前後で比べると,生きる意欲が強まり,抑うつ感が低下した。また,いのちはより前向きなイメージに,死は怖くて辛いイメージに変化する一方で,いのちも死も自らに身近なものとして認識されることが明らかになった。そして,死に対する恐怖は生きる意欲と関連するという結果より,デス・エデュケーションにおいては,死への恐怖をなくすことがゴールではなく,むしろ誰にでも訪れる死に畏怖の気持ちを抱きつつも今生きていることと真剣に向き合うことが大切であることが確認できた。さらに,DVD 視聴により,自らの生を肯定できない少数の生徒たちの生きる意欲が高まっただけでなく,いのちと死のイメージが混沌としたものから,よりコントラストのある関係へと変化することが明らかになった。

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