ダライ・ラマ14 世における「宗政和合」 (chos srid zung 'brel) について

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タイトル別名
  • “The Union of Dharma and Polity” (chos srid zung 'brel)in the 14th Dalai Lama

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説明

ダライ・ラマ14 世が思い描く政治とは何か。この問いは時期尚早であるかもしれない。しかし、彼の政治に対する考え方の一端を探ることは、近年緊迫の度を増しているチベット問題を考える上でも有益であるにちがいない。 ダライ・ラマは自身の主導する政治体制を、チベットの守護尊である観世音菩薩の化身が国政を担う前近代的なものから、民主主義に基づいた近代的なものへと移した。その際ダライ・ラマは政治から宗教的要素を排除したわけではなかった。むしろ、彼の考える「宗教」(Tib. chos)の核心に基づいた移行であった。そのことを示すのが、「宗政和合」(Tib. chos srid zung 'brel)という言葉である。ダライ・ラマは、伝統的なチベットの政治体制を表すこの言葉に新しい解釈を施した。そこに近代的民主体制とのつながりを見出すことができる。そこで本論文では、「宗政和合」のダライ・ラマによる解釈を分析し、チベットの政治における「宗教」と「モダニティ」が、「有情が苦しみから離れるように」という「共苦」 によってつながっていることを明らかにする。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050845760653639168
  • NII論文ID
    120003437148
  • ISSN
    13468219
  • HANDLE
    2433/148019
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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