大阪湾・播磨灘におけるマコガレイに生殖腺体脂肪,肥満度および比肝重値の季節変化

抄録

大阪湾・播磨灘において底びき網で漁獲されたマコガレイの生殖腺体指数(GSI)、比肝重値(HSI)および肥満度の季節変化を調べた。1980年代後半(1986年7月~1989年1月)と2000年代初頭(1998年6月~2001年1月)では、平均的なGSIおよび肥満度の季節変化に顕著な違いは認められなかった。この結果から、大阪湾・播磨灘のマコガレイの生活年周期に両年代間で大きな変化はないと考えられた。肥満度の推移から産卵後の魚体の回復に雌雄とも約4ヶ月を要すると推察され、生活年周期はRecovering(Feb.-May)、Immature&Matureing(Jun.-Nov.)およびSpawning(Dec.-Jan.)の3区分が妥当と考えられた。同一年級群(1986年級)のHSIを詳しく追跡した結果、雌では産卵期に先行してHSIの増加現象がみられたが、雄ではみられなかった。また、生殖腺も含めた魚体全体の肥満度が産卵期に雌雄とも一時的に増加する現象が認められた。

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