C,N量及びC,N安定同位体比の比較から推定された東北地方太平洋沖地震の津波による仙台湾の海底表層土の挙動

書誌事項

タイトル別名
  • Presumption of sediment movement in Sendai Bay caused by Pacific coast of Tohoku Earthquake Tsunami, according to comparison of C, N quantity and stable isotope ratio
  • C,Nリョウ オヨビ C,N アンテイ ドウイタイヒ ノ ヒカク カラ スイテイ サレタ トウホク チホウ タイヘイヨウオキ ジシン ノ ツナミ ニ ヨル センダイワン ノ カイテイ ヒョウソウド ノ キョドウ

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説明

津波による仙台湾の海底表層土の変化を把握するため,津波発生前後での140調査点でのC量,N量,C/N比の測定結果や8調査点でのC,N安定同位体比を比較した。津波の前後でデータには変化がみられ,津波による海底表層土の撹乱による懸濁物の発生と沈降・堆積過程を伴う移動や流出が推定された。また,海域によっては懸濁物には河川の底土や陸土の混入も生じたものと考えられた。これらの結果は,仙台湾での津波シミュレーションによる底質移動の推定,衛星情報解析による懸濁物の発生・移動,堆積物構造に関する研究報告の内容とも良く整合するものであった。陸地に近い沿岸の地先海域の牡鹿半島西側,鳴瀬川河口地先から松島湾外海,七ヶ浜地先では移動や流出,名取川北側から阿武隈川河口にかけてのやや沖側では併せて河川の底土や陸土の混入が推定された。また,沖合の海域では田代島の真南の沖合38°N付近に牡鹿半島西側の底土が起源と推定される分布がみられたが,仙台湾中央部は大きな変化はなく海岸地先ほどの影響はなかったものと推定された。津波による底土の強い撹乱後の移動に伴う底土の沈降・堆積は,水深20~30mの近辺を中心にみられ。C/N比の分布からは,津波による海底表層土の撹乱と沈殿による底土の均一化が起こったと推定された。

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