海岸砂丘地における広葉樹植栽試験 : 15年生時の生育状況

抄録

環境の異なる海岸において植栽に適した樹種を明らかにするため、石川県加賀地方の海岸5箇所で広葉樹6種の簡易植栽試験を行い、15年生までの生育状況を検証した。この結果、カシワは他の樹種が活着しない潮風の強い砂丘海側でも生存し、他の調査地でも生存率が高かった。エノキは砂丘海側でカシワ同様に数年間生存したが、10年生以降に消失していた。また、腐植の多い土壌でよく成長したが、砂地や被圧される場所では成長が悪かった。シラカシは風当たりの弱い場所で成長がよく、他の常緑広葉樹は殆ど枯死した。以上から、海岸に広葉樹を植栽する際は風衝、植生、土壌などを十分把握し、カシワを中心とした生育可能な樹種選定が必要と考えられる。

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