就学前の子どもを持つ保護者の犯罪・事故不安の規定要因 : 「学校安全」が唱える地域社会との協力関係の有効性

書誌事項

タイトル別名
  • Factors Influencing the Anxiety about Crime and Accident : The Case of Parents with Pre-school Children
  • シュウガクマエ ノ コドモ オ モツ ホゴシャ ノ ハンザイ・ジコ フアン ノ キテイ ヨウイン : 「ガッコウ アンゼン」 ガ トナエル チイキ シャカイ トノ キョウリョク カンケイ ノ ユウコウセイ

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抄録

教職課程において「学校安全への対応」が必修科目になり、「学校安全」への関心が高まっている。また、子どもの安全に関しては、学校が家庭・地域と連携・協力してその取り組みを進めることが推奨されている。本論文では、未就学児に着目して、「学校安全」の定義やその実状を確認したのち、未就学児の保護者が抱く自分の子どもが犯罪・事故に巻き込まれるかもしれないという不安の規定要因について検討する。先行研究では、犯罪不安の規定要因として、社会的属性や個人の内的なプロセスの他に、マスコミや他者との接触の影響が言及されている。本論文では、犯罪・事故不安の規定要因として教育情報源 ― 具体的には、マスコミ、インターネット、近所の友人・知人(地域の教育力)、園の先生(身近な教育・子育てのプロフェッショナル)― の影響に着目する。また、特に、近所の友人・知人を教育情報源として併せもつことが、保護者の犯罪・事故不安を軽減するものなのかを交互作用を用いて検討する。分析の結果、近所の友人・知人、インターネット、どちらか片方のみを教育情報源として選択した場合は、子どもが犯罪・事故に巻き込まれる不安を感じやすいが、両方を選択した場合は、不安を感じにくいことが明らかになった。このことは、インターネットという電子空間のネットワークにアクセスすると同時に、地縁のネットワークを併せ持つことが、保護者の抱く犯罪・事故不安を軽減する可能性を示唆している。

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