鉄製遺物の科学的保存処理に関する脱塩処理法の研究 〜水酸化リチウム水溶液とアルコール溶液の併用法の有効性〜

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  • テッセイ イブツ ノ カガクテキ ホゾン ショリ ニ カンスル ダツエン ショリホウ ノ ケンキュウ : スイサンカ リチウム スイヨウエキ ト アルコール ヨウエキ ノ ヘイヨウホウ ノ ユウコウセイ

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説明

本稿では、水酸化リチウムアルコール溶液法の改良を目的とし、水酸化リチウム水溶液法と水酸化リチウムアルコール溶液法の併用法(LiOH 併用法)を検討するため、Cl−溶出効果の比較実験・脱アルカリ処理の検討及び脱塩処理後の再発実験を行った。Cl−溶出効果の比較実験より、LiOH 併用法は、水溶液を用いる高いCl−溶出効果を残しつつ、溶媒をアルコール置換させることが可能であることがわかった。また、脱アルカリ処理においても純水を使用しないため、腐食の再発の危険性を回避することが可能である。脱塩処理後の再発実験の結果、セスキカーボネート水溶液法より重量増加量が低いことがわかった。要因として、脱塩処理中や脱アルカリ処理中の純水の使用頻度の差と考えられる。より詳細な検討が必要であるが\n脱塩処理中及び脱アルカリ処理中に純水の使用を抑えることにより、脱塩処理後の腐食の発生を軽減させることができる可能性を示唆するものと推測する。

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