PTFE製メンブランフィルターへのイオン対固相抽出によるクロム(VI)の高感度目視定量

  • 渡部 貴裕
    山形大学大学院理工学研究科バイオ化学工学専攻
  • 水口 仁志
    山形大学大学院理工学研究科バイオ化学工学専攻
  • 志田 惇一
    山形大学大学院理工学研究科バイオ化学工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Highly Sensitive Visual Colorimetry for Chromium(VI) by Ion-Pair Solid-Phase Extraction on a PTFE-Type Membrane Filter
  • PTFE製メンブランフィルターへのイオン対固相抽出によるクロム(6)の高感度目視定量
  • PTFEセイ メンブランフィルター エ ノ イオンツイコソウ チュウシュツ ニ ヨル クロム 6 ノ コウカンド モクシ テイリョウ

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抄録

PTFE製のメンブランフィルターを用いた固相抽出によるクロム(VI)の高感度目視定量法を開発した.硫酸酸性下におけるクロム(VI)とジフェニルカルバジドとの反応によって生成した有色の錯体は,ドデシル硫酸ナトリウム共存下での減圧ろ過によりメンブランフィルターに定量的に吸着した.本研究では,純水を滴下して2枚のスライドガラスに挟むことで少なくとも30分間はフィルターの着色が安定することを見いだし,色の濃淡によって微量のクロム(VI)を目視で定量できることがわかった.ろ過体積が100 cm3の場合での目視検出限界は0.3 μg dm−3であった.また,反射吸収測定では0~4 μg dm−3の範囲で直線の検量線が得られた(r=0.998).検出限界は0.07 μg dm−3であり,0.3 μg dm−3のときの相対標準偏差は6.0%(n=5)であった.本法を実試料へ応用したところ,電熱原子吸光光度法(ET-AAS)による全クロム濃度の測定結果と一致した.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 60 (4), 339-344, 2011

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (32)*注記

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