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- 田中 正生
- 協和醗酵工業株式会社東京研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Enzymatic Studies on the Optical Activity of Amino Acids. Part VI
- アミノサン ノ コウガク カッセイ ニ カンスル コウソテキ ケンキュウ 6
- On the Reaction of Glutamic Acid Racemase
- グルタミン酸ラセマーゼによるラセミ反応について
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説明
(1) Lactobacillus fermentiの生産するグルタミン酸ラセマーゼによるグルタミン酸のラセミ化が単一酵素による反応であり,二つ以上の酵素による共同反応でないことをさらに確めるため,その精製酵素試料を用いて反応平衡,反応次数等について二,三の検討を行なった.<br> (2) 超音波処理無細胞抽出液の4~8倍の単位蛋白当りの活性を有する精製酵素は同一実験条件下でアラニン,バリン,アスパラギン酸のラセミ化活性をまったく示さない.またこの酵素試料によるグルタミン酸のラセミ化反応の平衡は温度, pH及び基質濃度に無関係にL-50%, D-50%の点であった.<br> (3) この酵素による反応の経時的な変化はよく可逆一次式に一致し,この反応式より求められる反応速度恒数は或る一つの反応条件下では常に一定であり,この関係は基質がL-グルタミン酸でもD-グルタミン酸の場合でも同じであった.<br> (4) 反応速度に及ぼすpH及び温度の影響を検討した結果,最適pH 7.5,温度42°が再確認された.さらに基質濃度との関係は典型的な反応速度-基質濃度曲線を示し,またMichaelis恒数は約5×10-2Mであった.<br> (5) 一定の反応条件下では可逆一次反応式より求められる反応速度恒数は酵素濃度によく比例するので,前認の諸結果と合せ考えて本酵素の活性を50μM/mlのD-グルタミン酸を基質としてpH 7.5, 42°で60~120分の反応で生ずるL-グルタミン酸量より求められる反応速度恒数の104倍をもって表わすこととした.この表現法によれば蛋白mg当りの比酵素活性は無細胞抽出液で0.5~1.0単位,本報告の精製酵素で3.0~5.0単位であった.
収録刊行物
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- 日本農芸化学会誌
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日本農芸化学会誌 35 (6), 557-561, 1961
公益社団法人 日本農芸化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204563593216
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- NII論文ID
- 130001230688
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- NII書誌ID
- AN00196191
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- ISSN
- 18836844
- 00021407
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- NDL書誌ID
- 9172586
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可