直接血液灌流が有効であった界面活性剤中毒の1例

  • 鶴岡 歩
    京都民医連中央病院腎循環器センター 京都民医連中央病院救急科 京都民医連中央病院集中治療科
  • 井上 賀元
    京都民医連中央病院腎循環器センター 京都民医連中央病院集中治療科
  • 三浦 拓郎
    京都民医連中央病院腎循環器センター 京都民医連中央病院集中治療科
  • 河本 晃宏
    京都民医連中央病院救急科 京都民医連中央病院集中治療科
  • 藤野 高久
    京都民医連中央病院腎循環器センター
  • 木下 千春
    京都民医連中央病院腎循環器センター
  • 神田 千秋
    京都民医連中央病院腎循環器センター

書誌事項

タイトル別名
  • A case of surfactant poisoning that was successfully treated with direct hemoperfusion
  • 症例報告 直接血液灌流が有効であった界面活性剤中毒の1例
  • ショウレイ ホウコク チョクセツ ケツエキカンリュウ ガ ユウコウ デ アッタ カイメン カッセイザイ チュウドク ノ 1レイ

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説明

症例は26歳, 女性. 自殺目的に家庭用洗剤を約100mL服毒したが, 嘔気・気分不良が続き当院救急外来を受診した. 服毒した家庭用洗剤には17%の陰イオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤が含まれていた. 来院時, 気道および呼吸に異常を認めたため, まず気管挿管した後に胃洗浄および活性炭と下剤の投与を行った. 大量輸液を継続するも血中乳酸値は上昇し続け, 循環不全が進行しショック状態に至り, ノルアドレナリンを併用した. 活性炭カラムを用いた直接血液灌流 (direct hemoperfusion : DHP) を導入したところ, 速やかに血中乳酸値の低下を認め, ノルアドレナリンを終了することができた. 第3病日に抜管し, 第17病日に精神科医による専門加療目的に転院となった. 急性中毒患者に対する血液浄化療法の適応については意見の分かれるところであるが, 今回界面活性剤中毒に伴う循環不全の改善にDHPが寄与したと考えられた症例を経験したので報告する.

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

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