鼻閉による日中眠気の客観的評価の試み

  • 大橋 健太郎
    北里大学メディカルセンター耳鼻咽喉科 北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 大木 幹文
    北里大学メディカルセンター耳鼻咽喉科
  • 鈴木 立俊
    北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 中座 資実
    北里大学メディカルセンター耳鼻咽喉科 北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
  • 山下 拓
    北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

書誌事項

タイトル別名
  • The Trial for Objective Assessment of Daytime Sleepiness in Patients with Nasal Obstruction

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抄録

<p>慢性の鼻疾患は鼻閉により睡眠障害や日常活動にも影響を受ける可能性がある。日中の眠気の客観的評価はMaintenance of Wakefulness Test(MWT)を代表とした,脳波を用いた検査が確立されているが,Bennettらは間歇的な発光の認知能力を評価する覚醒維持検査Oxford Sleep Resistance Test(OSLER TEST)を紹介した。本法は,点滅させた赤色のLED光の確認を,7回連続ミスするまでの時間を覚醒維持時間と規定している。そこで,本法を用いて鼻閉による眠気の実態の検討を試みた。対象としたのは鼻閉を主訴として来院した患者と正常成人である。本検査は北里大学メディカルセンターの倫理委員会の承認のもとで行った。まずエプワース睡眠調査票(ESS)によるアンケート調査を施行し,英国製Stowood製のOSLER 2により覚醒維持時間を測定した。覚醒維持時間は,鼻閉患者が28.6±9.4min,正常成人で33.7±7.4minと有意差を認めなかった。一方,分時あたりの誤認回数を比較すると,鼻閉患者は正常成人に較べて有意に多い結果となった(P<0.05)。また,スコア11点以上の鼻閉患者と10点以下の鼻閉患者では,分時誤認回数において有意差を認めた(p<0.05)。眠気の評価は簡易的で客観的に測定・観察出来る本法も検討すべき方法と考えられた。</p>

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参考文献 (6)*注記

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