心身医療における病いの語り : 文化人類学による質的研究(第1報)

  • 鈴木 勝己
    千葉大学大学院社会文化科学研究科健康環境論
  • 辻内 琢也
    千葉大学大学院社会文化科学研究科健康環境論:早稲田大学人間科学部健康福祉科学科
  • 辻内 優子
    東京大学大学院医学系研究科ストレス防御心身医学
  • 熊野 宏昭
    東京大学大学院医学系研究科ストレス防御心身医学
  • 久保木 富房
    東京大学大学院医学系研究科ストレス防御心身医学

書誌事項

タイトル別名
  • Illness Narrative in Psychosomatic Medicine:Qualitative Research in Cultural Anthropology
  • 心身医療における病の語り--文化人類学による質的研究(第1報)
  • シンシン イリョウ ニ オケル ヤマイ ノ カタリ ブンカ ジンルイガク ニ ヨル シツテキ ケンキュウ ダイ1ポウ

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抄録

本研究は, 文化人類学の研究手法を用いて病いの語りと医師-患者関係を分析したものである. 文化人類学者による質的分析は, 病いの語りの意味と機能の考察から語りの動態性と医師-患者関係の推移を抽出し, "物語りに基づく医療(Narrative-Based Medicine)"との関連性を明らかにした. 本研究における臨床プロセスの4段階モデルは, 難治性の慢性疾患を患う患者が心身の相関性と自己の身体の固有性を自覚していくプロセスである. 病者は各段階を経るにつれて"疾病(disease)"を"慢性の病い(chronic illness)"として受容するようになり, 病いの語りは精錬され, より自省的かつ解釈的になっていくことが明らかになった.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 45 (6), 449-457, 2005

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (14)*注記

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