インフルエンザ罹患後に発症した喉頭蓋膿瘍の3例

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タイトル別名
  • Acute Epiglottitis as a Fetal Complication in Patients Affected with Influenza
  • 症例 インフルエンザ罹患後に発症した喉頭蓋膿瘍の3例
  • ショウレイ インフルエンザリカンゴ ニ ハッショウ シタ コウトウブタ ノウヨウ ノ 3レイ

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抄録

インフルエンザによる死因として肺炎,脳炎,心筋炎などの合併に加え原因不明の心肺停止が報告されている。今回われわれはインフルエンザを契機に発症したと考えられる喉頭蓋膿瘍の3例を経験した。症例1 (45歳,男性) はインフルエンザB型の診断の後,自宅安静を指示されたが,その数時間後には呼吸困難感が出現し,まもなく窒息による心肺停止に至った。症例2 (62歳,男性) はインフルエンザA型の診断のもとノイラミニダーゼ阻害薬を処方されたが,数時間後には呼吸困難感が出現した。症例3 (53歳,女性) はインフルエンザA型の診断のもとラニナビルの処方をうけ,咽頭痛は一旦軽快したものの,4日後に呼吸困難感が出現した。いずれの症例も喉頭ファイバースコープ検査にて腫脹した喉頭蓋による高度の気道狭窄を認めた。インフルエンザに関連した原因不明の心肺停止の原因の一部に本症例のような気道狭窄性病変が含まれると考えられた。インフルエンザ症例の診察の際には気道狭窄に伴う症状,所見がないか確認すること,また,自宅安静を指示する際には,気道狭窄症状出現時には早急に医療機関を受診するよう指示することが肝要と考えられた。

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