慢性リンパ性白血病

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タイトル別名
  • Chronic lymphocytic leukemia
  • マンセイ リンパセイ ハッケツビョウ

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説明

慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia, CLL)の治療は,新薬の開発によって大きな転換期を迎えている。代表的な新規薬剤に,B-cell receptor (BCR)シグナル伝達阻害薬がある。そのうちBruton's tyrosine kinase (BTK)を阻害するibrutinib (IBR)とClass I phosphatidylinositol 3-kinases p110δ isoform (PI3Kδ)を阻害するidelalisib (IDL)の開発が進んでいる。これらは,経口薬で予後不良因子の17p-欠失を有する例にも有効で,難治および初発CLLの治療で期待できる。そのほかの作用機序としてBCL-2を阻害するABT-199は,経口でCLL細胞の死を誘導する薬剤で,再発難治例で高い有用性が示されている。新規抗CD20抗体のobinutuzumabは,単独でもアルキル化剤との併用でも,再発難治CLLに効果を示し,従来の抗体薬と比較して高い有効性が示されている。しかし日本の現状では,新規薬剤を自由に使える環境は整っておらず,drug lagの解消が望まれる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (3), 238-248, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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