赤芽球癆診療の進歩と今後の展望

  • 廣川 誠
    秋田大学大学院医学系研究科 総合診療・検査診断学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Progress in the clinical management of pure red cell aplasia and future prospects
  • アカ ガキュウロウシンリョウ ノ シンポ ト コンゴ ノ テンボウ

この論文をさがす

説明

赤芽球癆診療における最近の進歩は,その病因が極めて多様であり,病因別に治療方針が異なることが広く理解されたこと,および後天性慢性赤芽球癆に対する免疫抑制療法後の予後と死亡リスク因子が本邦における研究によって明らかにされたことである。続発性赤芽球癆に対する治療方針は基礎疾患の治療であるが,特発性赤芽球癆と同様に,胸腺腫関連赤芽球癆および大顆粒リンパ球性白血病関連赤芽球癆に対する免疫抑制療法は有効である。免疫抑制療法が奏効した場合,一般的に長期間の寛解維持療法が必要となる。免疫抑制療法に対する不応および再発は死亡リスクとなることが明らかとなった。主な死因は感染症と臓器不全である。再発・難治症例に対する治療の確立と後天性慢性赤芽球癆の免疫病態の解明は今後の大きな課題である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (2), 110-116, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ