B型慢性肝炎患者におけるMicroparticle EIAによるHBe抗原・抗体の有用性

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タイトル別名
  • Clinical Usefulness of Microparticle Enzyme Immunoassay for HBeAg and HBeAb in Chronic Hepatitis B Patients
  • Bガタ マンセイ カンエン カンジャ ニ オケル Microparticle

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抄録

1992年1月より1993年6月までの期間に当院にてB型慢性肝炎と診断された患者6症例 (自然経過2症例, インターフェロン治療経過4症例) の血清73検体を用い, microparticle EIAを原理とするAxSYM systeo (ダイナボット社) によりHBe抗原・抗体の測定を行い, ALTおよびHBV-DNAとの関係を検討した.<BR>1) B型慢性肝炎患者血清73検体中HBe抗原が陽性を示したものは53検体であり, このうち45検体はHBe抗原のみ陽性 (Group A), 残り8検体はHBe抗原・抗体共に陽性 (Group B) であった.また, Group AおよびGroup BにおけるHBV-DNAとの判定一致率はそれぞれ91.1%(41/45), 50.0%(4/8) であった.一方, HBe抗体のみ陽性を示したものは20検体であり, このうち4検体 (20.0%) はHBV-DNAが陽性を示した.すなわち, HBe抗原とHBV-DNAの判定値が異なる結果を示したのは12検体であった.また, これらの判定不一致試料はすべて肝炎直後から鎮静化するまでの時期に採取されたものであり, それらのHBe抗原測定値は何れも基準値 (2.1S/N) 付近であった.<BR>2) B型慢性肝炎患者6症例におけるHBe抗原とALTを経時的に観察したところ, HBe抗原の変動とALTの動きは関連したものであり, HBe抗原はALTの動きに先行して増減する傾向が確認された.以上の結果より, AxSYM systeoによるHBe抗原・抗体の測定はB型慢性肝炎患者の臨床経過のモニタリングに極めて有用であると思われた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (12), 1323-1328, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (8)*注記

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