肺非定型抗酸菌症の診断における気管支鏡検査の有用性に関する検討

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タイトル別名
  • Usefulness of Bronchoscopy for the Diagnosis of Atypical Pulmonary Mycobacteriosis
  • ハイ ヒテイケイ コウサンキンショウ ノ シンダン ニ オケル キカンシキョウ ケンサ ノ ユウヨウセイ ニ カンスル ケントウ

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抄録

1995年1月より1996年12月までの2年間に当科で胸部X線像で異常を認め, 喀痰検査を行うも抗酸菌塗抹・培養とも陰性で確診がつかないため気管支鏡を施行し, 気管支洗浄液の抗酸菌培養で非定型抗酸菌陽性であった14例を対象とし, 肺非定型抗酵菌症診断における気管支鏡検査の意義について検討した.性別では女子が9例と多数を占め, 受診動機は胸部異常陰影指摘が9例で, 有自覚症状は血疾3・咳嗽2の5例であった.陰影の性状は, 単純写真では主陰影が斑状・粒状影は9例と最多で, 浸潤影2例, 結節影3例であった.CTでの陰影の性状は胸膜付近の小結節影の集族が12例に認められ, このうち11例は陰影付近に気管支拡張を伴っていた.肺胞浸潤影は4例で, 空洞を認めたものは1例のみであった.気管支洗浄液の抗酸菌塗抹陽性は7例で, 培養では陽性14例中100コロニー以上は8例であった.培養でMycobacterium avium complex (MAC) は13例で同定されたが, このうち11例については同時に気管支洗浄液のPCR法によるMAC検査を行うも, MAC陽性は4例にとどまった.TBLBは11例で施行し, 抗酸菌感染による組織所見は, 肉芽腫4, 乾酪巣3など5例に認められた.<BR>気管支鏡検査は, 最近増加している気管支型の肺非定型抗酸菌症においても診断困難な病初期からの診断を可能とし, 本症早期の診断確定に有用である

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (8), 728-733, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (11)*注記

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