PAH,NPAH,変異原性および活性酸素種生成能から見た北九州と鉄嶺の大気汚染比較

  • 戸次 加奈江
    金沢大学 大学院 自然科学研究科 衛生化学研究室
  • 唐 寧
    金沢大学 大学院 自然科学研究科 衛生化学研究室
  • 鳥羽 陽
    金沢大学 大学院 自然科学研究科 衛生化学研究室
  • 早川 和一
    金沢大学 大学院 自然科学研究科 衛生化学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Atmospheric Pollution of Kitakyushu and Tieling from the View Points of PAH, NPAH, Mutagenicity and Generation of Reactive Oxygen Species
  • PAH NPAH ヘンイゲンセイ オヨビ カッセイ サンソシュ セイセイノウ カラ ミタ キタキュウシュウ ト テツレイ ノ タイキ オセン ヒカク

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抄録

大気中には様々な有機汚染物質が含まれている. そのうち多環芳香族炭化水素(PAH)およびニトロ多環芳香族炭化水素(NPAH)は, 化石燃料などの燃焼に伴って発生し, ヒトの健康に影響をおよぼす物質である. 環日本海域の4ヶ国, 中国, ロシア, 韓国, 日本は, 主要エネルギーの種類や生活様式, 産業構造や事業所の設備などが異なり, その結果大気汚染のレベルと中身も大きく異なると推定される. そこで, 本報では中国と日本の製鉄業を中心とする都市である鉄嶺と北九州を選び大気粉塵を捕集後PAH, NPAH, 変異原性, 活性酸素種(ROS)生成能を測定し化学物質と毒性の点から比較評価を行った. PAH, NPAH濃度は中国で高濃度を示し, 冬高夏低の傾向が見られた. また変異原性は冬に高いが, ROS生成能は夏に高くなる傾向が見られ, 変異原性とROS生成能には異なる原因物質が関与すると考えられた. PAH, NPAHとは異なる化合物の寄与も大きいことが考えられた.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 30 (1), 39-45, 2008

    学校法人 産業医科大学

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