中国語を母語とする中級レベルの日本語学習者の移動先を表す「に」と動作場所を表す「で」の習得

書誌事項

タイトル別名
  • Acquisition of the Goal Particle <i>ni</i> and the Active Particle <i>de</i> by Intermediate Level Chinese-Speaking Japanese Learners
  • チュウゴクゴ オ ボゴ ト スル チュウキュウ レベル ノ ニホンゴ ガクシュウシャ ノ イドウサキ オ アラワス 「 ニ 」 ト ドウサ バショ オ アラワス 「 デ 」 ノ シュウトク

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説明

<p> 本研究は,①「あの喫茶店コーヒーを飲む」のような誤用がどのような用法の「に」と動作場所を表す「で」の混同によるものであるかに焦点を当て,日本語学習者の「に」と「で」の習得の様子を探ったものである。まず,①の「に」を用いるという中級レベルの中国語話者計47人に対し翻訳調査などの予備調査を実施した。次に,日本語能力試験のN2に合格している中国語話者49人に対し「あの食堂(に・で・を・から)食事する」のような格助詞選択テスト式の調査を行い,49人の内10人にフォローアップインタビューを行った。回帰分析の結果,①の「で」→「に」は移動先を表す「に」と動作場所を表す「で」の混同による可能性があることが分かった。日本語学習者の習得は「場所への移動がある」と判断された場合に①の「に」が産出されるという段階を経て,その後,移動先を表す「に」と動作場所を表す「で」を正しく用いる段階に至るのではないかと考えられた。</p>

収録刊行物

  • 日本語教育

    日本語教育 163 (0), 48-63, 2016

    公益社団法人 日本語教育学会

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