看護学生への緩和ケア教育の長期的な効果

  • 清水 佐智子
    鹿児島大学医学部保健学科看護学専攻臨床看護学講座

書誌事項

タイトル別名
  • The long-term effects of palliative care education on nursing students' positive attitudes towardterminalpatients
  • 終末期患者に対する態度の講義直後と3カ月後の比較
  • comparison of attitudes before, immediately after, and 3 months after lectures

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抄録

看護学生が講義で修得した終末期患者に対する態度が講義後も維持するかどうかはわかっていない.今回,緩和ケア科目を受講した看護学生 64名を対象に,FATCOD(Frommelt Attitude Toward Care of Dying Scale)-FormB-Jによる調査を講義前・後,講義終了 3カ月後に実施し,結果を比較した.46名の回答を下位尺度ごとに分析した結果,講義前後では「I.死にゆく患者へのケアの前向きさ」「II.患者・家族を中心とするケアの認識」で有意に講義後が高く,態度が育成されていると示唆された.3カ月後には「I」「II」とも元に戻り,態度は長期には維持されていなかった.死別や看取り体験の有無による態度の変化に差はなかった.態度を長期に維持するためには,自ら考えて行動する体験を増やすことや,学生の感情や意見をシェアする機会の確保などが必要と示唆された.

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