甲状腺未分化癌に対するsorafenibによる治療経験

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タイトル別名
  • Experience of an anaplastic thyroid carcinoma case treated with sorafenib
  • 症例報告 甲状腺未分化癌に対するsorafenibによる治療経験
  • ショウレイ ホウコク コウジョウセン ミブンカガン ニ タイスル sorafenib ニ ヨル チリョウ ケイケン

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抄録

症例は70歳代の女性。3年前に甲状腺左葉の1.3cm大の粗大な石灰化腫瘤を指摘されていた。甲状腺の急速な腫脹に気付き来院した。甲状腺左葉に4cm大の腫瘤を指摘され,穿刺吸引細胞診で未分化癌が疑われた。胸部CTで両側肺に1cm大の結節を複数指摘され肺転移が疑われた。甲状腺全摘を施行し甲状腺未分化癌と診断確定した。術後weekly paclitaxelを開始しRECIST SDの効果を認め,5カ月後に肺結節増大と頸部再発巣出現によりPDとなるまでの間治療継続した。以後,TS-1,biweekly docetaxel,epirubicin/carboplatinによる治療行ったが,効果は得られなかった。5th lineとしてsorafenib内服を開始した。800mg/日内服でGrade 2の手足症候群を認めたため,400mg/日に減量した。内服開始2カ月後のCTでは肺転移,頸部再発巣ともに縮小を認めた。内服開始3カ月半後に頸部再発巣の急速増大により治療を中止し,術後16カ月半で永眠した。甲状腺未分化癌に対する有効な治療薬が限られる中,sorafenibはその一選択肢となる可能性が示唆された。

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