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腹臥位での下肢自動伸展挙上における仙腸関節圧迫による筋活動時間の差異に関する検討
Description
【目的】腹臥位自動下肢伸展挙上(以下PLE)は仙腸関節の機能的検査として臨床に用いられている.PLE時の筋活動は歩行中の股関節伸展時の筋活動と類似しており,Lehmanの研究では右下肢でPLE施行時,ハムストリング,左腰部脊柱起立筋,右腰部脊柱起立筋,大殿筋の順番で筋活動が開始されたとしている.しかし,ハムストリングが大殿筋よりも先に活動を開始することで股関節の前方へのモーメントが大きくなり,関節包の前方障害につながる恐れがある.今回,PLEを行う際,両側ASIS部を引きつけることで仙腸関節の安定化に作用する腹横筋,腹斜筋を外部からの圧迫で代償し,ハムストリングと大殿筋の活動開始時間の差異を検討することを目的とした. <BR>【方法】被験者は腰部,下肢に1年以上既往のない成人健常男性15名とした.両側から骨盤帯を圧迫する自作器具の両側先端にハンドヘルドダイナモメーターを取り付けることで加圧力を規定した.筋電は1khz/1msで計測することとし,被験筋は右半腱様筋,右大殿筋,両側腰部脊柱起立筋とした.被験者にはベッド上で腹臥位になってもらい右膝関節伸展位での右股関節伸展を,安静時,骨盤帯に50Nと100Nの圧迫力を加えた状態(50N,100Nはランダム),安静時の順でそれぞれ5回ずつ行った.各試行において5秒間の記録中に3秒間のPLEを行ってもらい,右下肢はベッド上から下腿下部が6inch(約15.2cm)離れるまで伸展してもらった.筋活動が開始される時間の規定は,安静時筋電50msにおける標準偏差を二倍し,それに安静時筋電50msの平均値を加えた値を超えた値の時間を活動開始とした.<BR>【結果】被験者の平均年齢,平均身長,平均体重はそれぞれ22.3±1.3歳,172.3±5.6cm,65.2±4.8kgであった.ハムストリングと大殿筋の活動開始時間の差異の平均値は,1回目安静時は-238.53±92.38,50N圧迫時は-174.04±86.17,100N圧迫時は-94.35±53.89,2回目安静時は-148.93±121.02であった.1回目安静時と50N圧迫時,100N圧迫時,2回目安静時の間にそれぞれ有意差が認められた(p<0.05).<BR>【考察】結果から,歩行中において大殿筋の活動開始を円滑に行うには腹横筋,腹斜筋の活動が重要であるということが示唆された. <BR>【まとめ】PLE時に腹横筋,腹斜筋の骨盤帯への作用を代償した圧迫を外部から加えることでのハムストリングと大殿筋の活動開始時間の差異を検討した.その結果,圧迫を加えた際,大殿筋の活動開始時間が短縮され有意差が認められた.以上より,歩行中の股関節伸展運動時に大殿筋の活動開始を円滑に行うには腹横筋,腹斜筋の活動が重要であるということが示唆された.
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2007 (0), A0871-A0871, 2008
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205565785216
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- NII Article ID
- 130005014933
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed