ストレッチポールを用いたコアコンディショニングが体幹および肩関節柔軟性に及ぼす即時効果
Abstract
【目的】<BR>ストレッチポールを用いたコアコンディショニング(以下CC)の4週間の継続は脊椎のリアライメントに効果的である(文献1)。一方、その柔軟性に及ぼす即時効果についての報告は見られない。本研究ではCCが健常者の脊椎アライメントおよび胸郭可動域・肩関節可動域に及ぼす即時的効果の検証を目的とした。<BR>【方法】<BR>この研究は対照群のない縦断的介入研究である。対象の取込基準を20代の健常成人、除外基準は脊柱及び肩関節疾患の既往のない者として被検者を募集し、14名(男性11名、女性3名、平均年齢23.6±0.8歳)の選択基準該当者から研究参加の同意を得た。測定項目は脊椎アライメント及び胸郭拡張差、肩関節可動域とし、介入前後に測定を実施した。介入は日本コアコンディショニング協会が提唱する“ベーシックセブン”を10分間とした。脊椎アライメントの測定にはインデックス社製スパイナルマウスを用い静的直立位・前屈位・後屈位における第1胸椎から第3仙椎間の各分節角度を測定した。可動域については長座体前屈、体幹回旋、肩関節屈曲・外転、腹臥位状態そらしを計測した。なお、肩関節の可動域は肩甲上腕関節の運動を反映するために肩甲骨の運動を制限した状態で測定した。胸郭拡張差は腋窩高及び剣状突起高とした。それぞれの測定は一回とした。統計分析には2元配置分散分析の後Fisher’s LSDを用い、p<0.05を有意とした。<BR>【結果】<BR>肩関節可動域では、屈曲で149.1°±5.5°から154.3°±6.6°(p<0.05)、外転で147.7°±7.9°から152.3°±6.8°(p<0.05)へと有意に増大した。長座体前屈では0.5cm±10.7cmから3.3cm±11.9cm(p<0.05)へと有意に増大した。脊椎アライメント、上体反らし、体幹回旋、胸郭拡張差においては有意差を認めなかった。<BR>【考察】<BR>重要な知見として長坐位体前屈の増大と肩関節可動域の改善が認められた。これらは胸部背筋群および肩・胸部筋の柔軟性改善の結果と解釈され、統計的・臨床的に有意な差と解釈される。スパイナルマウスについては、X線との比較により一定の信頼性が示された (文献2)が、今回の研究デザインでは統計的な有意差を検出できなかった。この研究の問題としては、対照群がない、精度の低い体表からの計測を使用、限定的な対象者、サンプル数の不足などが挙げられる。今回の結果は臨床的に確認されるCCの主観的効果を反映した結果であると捉えられるが、さらに対象を広げ、かつ高精度の計測方法を用いた研究が必要である。<BR>【参考文献】<BR>文献1:杉野伸治ら(第41回日本理学療法学術大会、2006)、文献2:松尾礼美ら(第41回日本理学療法学術大会、2006)<BR>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2006 (0), C0339-C0339, 2007
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
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Keywords
Details
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- CRID
- 1390001205567625600
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- NII Article ID
- 130005013977
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed