肥大・成長フェノロジーからみたスギとマツの成長様式

書誌事項

タイトル別名
  • Growth pattern in <i>Cryptomeria japonica</i> and <i>Pinus thunbergii</i> related to primary and secondary growth phenology.

説明

植物の成長フェノロジーは、その植物の生長戦略を知る上で重要である。木本植物の成長フェノロジーに関する報告は、広葉樹では多く針葉樹では少ない。本研究では、陽樹とされるクロマツと耐陰性の強いスギの成長フェノロジーを比較した。九大構内に植栽された5年生のスギ(15本)とクロマツ(5本)を供試し、主軸伸長成長と幹肥大成長を経時的に測定した。伸長成長は定規を用いて1mm単位で、肥大成長は幹に装着したデンドロメーターで半径方向の成長を10μm単位で測定した。測定は2014年10月から2015年12月まで2,3日間隔で行った。肥大成長では両種ともに2回の成長期が認められた。しかし、成長期は両種で異なり、クロマツは春期と秋期、スギでは春期に連続していた。伸長成長に関しては、どちらも1回の伸長期が認められたがクロマツがスギよりも1ヶ月早く開始し成長休止日も早かった。肥大成長と伸長成長を対比すると、成長開始期において、クロマツは肥大成長と伸長成長が連動していたのに対し、スギは肥大成長が伸長成長に優先していた。以上から、クロマツは樹高成長を優先し、スギは肥大成長を優先する成長戦略をとっている種と考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705442816
  • NII論文ID
    130005166813
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_565
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ