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- 佐藤 公一
- 山形縣農事試驗場置賜分場
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説明
I 梨畑跡地の水稻作の不良な地方の梨園土壤を用ひ梨長十郎苗木の發育をみた。<br>i 供試土壤の表土には全砒素 (As2O3)80, 心土には 30ppm存在してゐた。未撒布土壤にも 10ppmあつた。<br>ii 蓄積の最も多い80ppmの表土中に於ても梨苗木の發育は少しも抑制されなかつた。<br>II 未撒布の畑土 (粘質壤土) 及之に1/3容の砂を加へた砂質土を用ひ, 此等に砒酸鉛を混和して砒素濃度と梨苗木の發育との關係をみた。<br>i 砒素濃度の増すにつれ梨の發育は減少する, そして As2O3 100ppmまでは毒性は著しくない, 300ppmの粘質土でも發育抑制は大なるものでない。夫以上1000, 5000ppmと濃度がますにつれ抑制は著しくなるが, 5000ppmでも梨は枯死はしない。<br>ii 粘質土は砂質土よりも砒素毒性は少い。<br>iii 此等土壤中の可溶性砒量をみるに, 1ppm以下では大した發育抑制はなく, 夫以上濃度のますにつれ毒性は増大するが 10ppmでも枯死はしない。<br>III 砒酸鉛を加用した土壤に過燐酸石灰を種々の分量混和し, その中の大豆や玉蜀黍の發育状態をみた。<br>i 燐酸無加用區は枯死或は發育微弱であるが, 燐酸加用區は生育良好であつた。尚堆肥や石灰は毒性輕減の效果はみられなかつた。<br>ii 燐酸を種々の量加用してみたが砒素の毒性を全く消失させる事は出來なかつた。
収録刊行物
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- 園芸学会雑誌
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園芸学会雑誌 13 (3), 238-244, 1942
一般社団法人 園芸学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206303774592
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- NII論文ID
- 130001142709
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- ISSN
- 1880358X
- 00137626
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可