本発表では、中国内モンゴル自治区中部における「旅遊点」で展開されるエスニックツーリズムの事例から、トランスカルチュラル状況の食文化の在り方について考察を加えることを目的とする。「旅遊点」と民族テーマパークの比較、メニュー面での民族料理店および一般家庭との比較を通じ、中国のエスニックツーリズムにおける「民族」経験は画一化されがちで、内容的にも漢民族の嗜好性が反映されている一方、提供されるメニュー構成の全てを漢民族のまなざしに帰することもまた不適切であることが指摘しうる。
Abstracts of the Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 2019 (0), D4-, 2019
THE JAPANESE SOCIETY OF CULTURAL ANTHROPOLOGY